【進路指導係】春季補習を開講しました。

令和3年度の春季補習を開講しました。春休みを使い、一般入試に対応できる実力の養成を行います。
【令和3年度春季補習】
日時:3月14日(月)~17日(木)
対象:特進コース・進学コース特編クラス
特編クラスの化学の授業の様子をお伝えします。本講座は、3年次化学の受講前の復習と応用を行い、3年次冒頭から始まる化学にスムーズに入れるように目標を設定しました。内容は、実験をしながら①中和滴定、②酸化還元滴定、③COD(Chemical Oxygen Demand)の測定法 ④浦野川のCOD調査を通して、計算と考察を行いました。
酸化還元滴定は、1年次の授業では扱いませんが、実は中和滴定と同じ器具を使いますので、操作自体はすぐに慣れます。
【原理】
①中和滴定・・・ 「水素イオンの数(モル)=水酸化物イオンの数(モル)」の時を知ることです。
②酸化還元滴定・・・「酸化剤がもらった電子の数(モル)=還元剤が与えた電子の数(モル)」の時を知ることです。※以上を知るために、色の変化がわかる物質を使います。
この原理を使って、水中の汚れを表す指標CODを求めることができます。CODは水の汚れの指標で、値が大きいほど汚れている、となります。川などの水中の汚れの原因物質は、有機化合物、無機化合物、金属などたくあんあります。それらのうち、一番汚れの原因となっている有機化合物を加熱分解して、そして強力な酸化剤(過マンガン酸カリウム)を使い、酸化します。その時の酸化剤(過マンガン酸カリウム)の消費量を酸素(O2)量に換算した値がCODとなります。
さて、次が探求的な取り組みです。本校の目の前の道と川の駅に流れる浦野川(産川)には、南部下水処理場の処理水が混入しています。ここの処理水の温度は高く、冬でも暖かいです。この処理水が流れ込むとCODは、その上流と下流でどう変化するでしょうか、川の河川浄化の様子の一部を知ることができます。
<調査地点>道と川の駅、浦野川 (下左が下水処理水流入地点、下が下水処理水の流れ泡が見られます。)
<使用試薬> 川の水は、50mLを使う。
※酸化剤:2.0×10-3mol/L 過マンガン酸カリウムKMnO4-10mL 2.0×10^(-3)mol/L
還元剤:5.0×10-3mol/L シュウ酸(COONa)2 10mL 5.0×10^(-3)mol/L ※^は累乗を表す。
(計算法は省略します。)
<実験法> 試料(川の水)が薄いピンク色になれば成功!
※パックテストは簡便にCODを測定できます。
<結果>
滴定はじめ | 滴定終わり | 滴定量(mL)
※酸化剤の使用量 |
酸化剤が受け取ったe-(mol) | e-を受けっとった酸素量(g) | 試料1L中の酸素量=COD
(mg/L) |
||
No | 調査地点 | a | b | y | x | z | A |
① | 浦野川 混入地点上流 | 0.32 | 3.51 | 3.19 | 0.0000319 | 0.0002552 | 5.1 |
② | 下水処理水 | 0.98 | 8.91 | 7.93 | 0.0000793 | 0.0006344 | 12.7 |
③ | 浦野川 混入地点下流 | 6.38 | 10.95 | 4.57 | 0.0000457 | 0.0003656 | 7.3 |
CODは下水処理水が最も高く、上流から下流へのCOD変化もあり、2.2mg/L上昇していました。