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活動報告

【生物同好会】第4回UNMP・長野大学淡水生物学研究所と共同研究をしました。

2023.02.17 クラブ速報

生徒会活動の第4回UNMP(上田西学びプロジェクト)の一環として、長野大学淡水生物学研究所にて共同研究を行いました。一般の受講生と部員と協働で取り組みました。長野大学ホームページはこちらです。

第4回UNMP講座A「千曲川の水質を知ろう!」

日時:令和5年1月28日(土)

場所:長野大学淡水生物学研究所(上田市小牧)

1,研究所でセミナー

箱山教授から・・・研究について

箱山教授は本研究所の所長でいらっしゃいます。本校との共同研究の機会をつくって頂きました。千曲川の淡水生物は上田市民にとっても多くの恵みを与えていて、身近な自然の素晴らしさに気づかせて下さいました。研究の目的を役に立つことだけに設定するのではなく、興味のあることに取り組むことが大切で、その結果、研究の裾野が広くなるとおっしゃっていました。

児玉助教から・・・千曲川の環境DNAの研究からわかったこと

児玉助教は本校OGでいらっしゃいます。千曲川の上流から下流に向けての環境DNAの研究からわかった知見についてお話を頂きました。環境DNAとは、水中や空気中に漂うDNAです。サンプリングした水を分析することにより、どのような生物が存在するのかを調べることができます。その結果、30か所の調査から35種の魚類がいて、中には絶滅危惧種もいるそうです。

アレクサンドラ博士から・・・微生物群からわかること

アレクサンドラ博士からの講義で、微生物はすべての生物の子孫であり、微生物が地球環境に影響を与えているという見方が、私たちにとって新たな発見でした。その中で、岩石の表面にあるバイオフィルムから、どのような微生物が生息しているかを調べる方法について説明して下さいました。今回は、大学の研究施設をお借りして、このバイオフィルムの微生物群をエコプレートという手法で調査をします。

2,フィールドワーク

場所は千曲川の常田新橋の近く、つけば小屋の「鯉西」様の前です。今回は、A止水性(プール)とB流水性の2地点から石を2個採取しました。この石の表面のバイオフィルムをエコプレートを使って調査をします。同時に、2点の指標生物調査、採水を行いました。今回は、1分間、おおよそ、50平方センチメートル四方の石をキックして、網に生物を採取しました。3回行います。少々キック力が必要となります。

3,ラボでの調査

①エコプレート実習

アレクサンドラ博士から、マイクロピペットの使用法を説明頂きました。こちらは生命科学研究を始め、広く使われているピペットです。高い精度で微量の資料を測り取ることができます。石の表面のバイオフィルムをはがして、微生物の餌が入った小さなプレートの中にマイクロピペットを使って入れていきます。このプレートを恒温器で培養して、24時間ごとに写真撮影をし、マイクロプレートリーダーにて分析します。反応があると紫色になります。こちらの結果は研究所にて現在分析して頂いています。

②指標生物の調査

環境省の評価方法を利用します。出現した水生昆虫をスコアで評価します。

今回もカゲロウ、カワゲラ、ナミウズムシ(プラナリア)といった、きれいな水を好む生物が見られました。

また、ふるいをお借りして、採取した泥水から生物を採取しました。

【結果】

千曲川鯉西前 A止水性(プール)・・・スコア値5.6    B流水性・・・スコア値7.4

B流水性の方が、河川水質の良好性が高いという結果になりました。

<環境省による平均スコア階級>
平均スコア範囲 河川水質の良好性
7.5以上 とても良好
6.0以上7.5未満 良好
5.0以上6.0未満 やや良好
5.0未満 良好とはいえない

③パックテスト

パックテストは簡易的な水質の検査に最適です。

4,研究テーマの発表

最後に今回参加した受講生の皆さんから、興味のある研究テーマについて発表がありました。マイクロプラスチック、外来種の増加、水の浄化についてなど、多岐にわたっています。そして、研究の世界は英語が公用語となっています。今回は、英語でテーマを発表してもらいました。皆、英語で話すことができます。恥ずかしがらずに、伝えようという気持ちが大切だと感じました。研究所の先生方から、丁寧なアドバイスを頂くことができました。

大学の先端施設をお借りして、一歩上の研究をやらせて頂くことができました。そして、研究への姿勢も教えて頂き、また、研究も協働すること、お互いの敬意と助け合うことが大切だと教えて頂きました。素晴らしい機会を与えて頂いた、長野大学淡水生物学研究所の皆様、誠にありがとうございました。

写真提供:長野大学淡水生物学研究所他

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